最近よくiDeCoという言葉を耳にするようになりました。「老後資金の準備にいい」とか「節税になる」といった話しを聞きますが、実際に何がいいのかよくわからないという方も多いと思います。
iDeCoって何?
「iDeCoまだやってないの~?」と言われた・・・
iDeCoはお得って言うけど自分にも関係あるのかな?
こんなお悩みを解決します。
私も以前は、二人の子供の子育てをしながら、年金問題がニュースでとりあげられるたびに、ただ漠然と「将来が不安だな・・・」とおびえていました。
そこでiDeCoについて勉強し、理解して、数年前から運用を始めました。それからは将来の不安がかなり小さくなりました。
iDeCoは、制度改正でほとんどの人が利用できるようになる予定です。多くの人が関係する制度であり、メリットも多いです。
この記事では、iDeCoとは一体何なのか?なぜこれほどオススメされているのか?自分もやるべきなのかどうか?がわかります。解説してきます。
iDeCoとは?
自分でつくる私的年金
iDeCoとは、自分でつくる、自分のための年金制度です。
愛称は「個人型確定拠出年金」で、老後資金をつくるための私的年金の制度です。
年金制度のしくみ
まずは年金制度のしくみをみてみましょう。
(出典:楽天生命)
1階部分(青色)の「国民年金」と2階部分(緑色)の「厚生年金」などの公的年金は国民の義務となっており、原則20歳以上60歳未満のすべての人が加入しています。
一方、iDeCoは3階部分(オレンジ色)の任意の年金制度です。公的年金だけでは不安な場合に自分で積み立てます。
企業年金があるような大企業は別として、一般的なサラリーマンやフリーランスには、安心できるような年金制度にはなっていません。
年金の平均受給額
自分が将来いくら年金をもらえるか知ってますか?知らない人はねんきんねっと/日本年金機構で検索してみてください。
ちなみに平均受給額は
国民年金で
平均:約56,000円
厚生年金(国年年金含む)で
平均:約144,000円(男子:約178,000円、女子:約108,000円)
(参考元:令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況)
ほとんどの人は生活老後の生活資金が不足することになると思います。
公的年金との違い
公的年金は、支払う保険料が決まっています。そしてその保険料はどんどん高くなっています。
※厚生年金は収入(標準報酬月額)に応じて保険料が変わります。
一方、iDeCoは、自分で支払う金額(掛け金)を決めることができます。
iDeCoの概要
自分で拠出
自分で設定した金額を、自分で積み立てていきます。
自分で運用
自分で選んだ運用商品で掛金を運用し、老後の資金を準備します。
年金を受取る
60歳以降に受け取ります。受け取り額は、掛金の合計額や運用成績によって、一人ひとり異なります。
iDeCoがお得である理由
節税できる
節税って何?という方。まずは節税について説明します。
年間約100万円以上の収入がある方は、「所得税」と「住民税」の納付義務が発生します。
これらの税金を減らすことができます。これを節税と言っています。
収入が多い人ほど節税できる金額が大きくなります。
特に会社員の場合は、できる節税がほとんど無いと言われている中で、国が公認している数少ない節税方法になります。
具体的には、掛金が全額、所得控除になります。
掛金の上限は、会社員で月23,000円、自営業で月68,000円です。
例えば会社員が上限(23,000円)まで掛金を拠出した場合、年間276,000円の所得控除になります。
この場合、年収500万円(所得税10%、住民税10%)だと、約50,000円の節税になります。
30年間積み立てした場合は、150万円以上の節税になります。
安全に確実に貯めることができる
iDeCoで積立しているお金は差し押さえ禁止財産です。安心して積み立てることができます。
また給料天引きで、確実に毎月蓄財していくことができます。
「余ったら貯蓄にまわす」というやり方では確実な積立はできません。
運用益が非課税
例えば、30歳から60歳まで毎月23,000円を積み立て、年3%で運用した場合、運用益は約500万円になります。通常はこの運用益(500万円)に約20%課税されます。100万円以上納税することになります。
iDeCoでは運用益に課税されません。長期投資する場合は大きなメリットになります。
運用益が大きくなればなるほど効果は大きくなります。
受け取り時も税負担の軽減
いざ受け取る時にも税金を減らすことができます。完全に無くせるというものではありませんが、受け取りのタイミングや受け取り方法(年金受け取り or 一時金受け取り)を、その時点での収入状況を踏まえてうまく検討することで、ここでも節税することができます。
iDeCoのデメリット
60歳まで引き出せない
原則、途中解約できません。
ただ、もともと目的は老後資金の貯蓄です。差し押さえ禁止財産でもあり、安全に蓄財されているので現役時代は無いものとして考えておけばOKです。
元本割れのリスクがある
iDeCoには様々な商品があります。
その中には、定期預金以外にも投資信託など元本割れの可能性がある商品にも投資することができます。その場合、積み立てた金額より減ってしまう可能性があります。
ただ、これは長期投資することで元本割れリスクを下げることができます。
iDeCoは開始年齢にもよりますが、基本、長期投資になります。自分にあった商品を選択すればOKです。
なぜ国はiDeCoを推奨しているのか?
現世代は公的年金だけでは生活資金が不足する
厚生年金の平均受給額は166,000円であるのに対して、夫婦二人の老後の平均生活費は260,000円となっています。
いずれもあくまで平均なので参考値ですが、ほとんどの場合、公的年金だけでは大きく不足することになります。
一時期ニュースになりました2000万円問題です。その時までに貯蓄できれば問題ありませんが、貯めるのが難しい場合にはiDeCoを検討する価値はあります。
国は国民全ての老後までは面倒見ることはできない
もう国に、国民全ての面倒をみるだけの体力はありません。そこで「自分で自分の老後資金を貯めるのであれば税負担を軽減してあげます。お願いだから、自分で貯めて」ということなります。
iDeCoに向いている人
収入が多い人
収入が多い人ほど、税率が高くなるため、節税額は大きくなります。
逆に、収入が100万以下の場合は所得控除の恩恵を受けることができません。
老後資金以外の資金に余裕がある人
iDeCoは原則60歳まで受け取ることができません。結婚・出産・住宅購入・教育資金など、いざという時のために、ある程度余裕資金が準備できている人に向いていると言えるでしょう。
まとめ
- iDeCoとは、自分でつくる、自分のための年金制度。
- iDeCoがお得である理由は、掛金が全額所得控除、運用益が非課税、受け取り時の税負担軽減もあり、安全に確実に貯蓄することができるから。
- iDeCoのデメリットは、60歳まで引き出せない、商品によっては元本割れのリスクがある。
- iDeCoに向いている人は、収入が多い人や老後資金以外の資金に余裕がある人。
将来の不安には、正しく恐れて、正しく対策をとりましょう。
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